上田  和茂

UEDA  Kazushige
学科

一般科目

職名

助教

学位

博士(理学)

校務

キャリア教育・学習支援室キャリアアドバイザー

クラブ顧問

陸上部

メールアドレス

k-ueda@tokuyama.ac.jp

URL

https://sites.google.com/view/kazushige-ueda

電話番号

0834-29-6200(代表)

専門分野

理論物理学(宇宙論、曲がった時空上の場の量子論、重力波)

研究テーマ

研究キーワード:宇宙論、曲がった時空上の場の量子論、一般相対性理論、Graviton-Photon Conversion、Unruh効果、Hawking放射、Rindler時空上のDirac方程式、量子エンタングルメント、重力波、回転ブラックホール、真空崩壊、インフレーション理論、de-Sitter時空、AdS時空

◆科研費・研究資金 (代表)
3. 膨張宇宙における磁場を介した重力波とベクトル場の相互作用に関する研究
(日本学術振興会:若手研究 24K17050 / 2024年度〜2026年度)

2. 量子真空の基礎論と現象論による曲がった時空の場の量子論の検証
(日本学術振興会:特別研究員奨励費 20J22946 / 2020年度〜2022年度)

1. 曲がった時空におけるディラック場の量子エンタングルメントによる粒子生成と量子放射の研究
(日本科学協会 笹川科学研究助成:研究番号 2019-2018 / 2019年度)

リサーチマップURL

https://researchmap.jp/k_ueda_phys

教育ポリシー
教育活動の考え方

*学生の皆さんへ
 勉強は、結果よりも過程を重視してほしいと思います。「点数が良かったから偉い」、「偏差値が〜〜だから賢い」、「〜歳で微分積分法をマスターした」等のように他者との比較で考えるよりも、「自分は何を学んだのか」、「これからどんな勉強をすれば良いのか」、「計画通り学習出来たか」等のように、自分の成長に意識を向けることが重要です。社会に出れば、結果や他者との比較しか評価されない、という状況は沢山あります。せめて学生時代は自分の成長に集中して、考え方を豊かにしてほしいと思います。

*数学教育について
 数学や科学が何の役に立つのか?という疑問をよく聞きますが、そもそも自然界の法則は我々人類が生まれるより前から存在したものなので、我々の役に立つために在るわけではありません(物理法則が上手く出来すぎている、と感じることはありますが、、)。しかし世の中には、数学を用いて非常に精度良く(誤解なく)表現できる問題が数多くあります。例えば、政治・政策について論じる際には、人口や経済などの統計的な情報が重要となります。そのため、問題解決の前提を理解するには数学の素養は欠かせないと言えます。
 前述の疑問を、「数学や科学を学ぶことが、学生の将来にどう役立つのか?」と読み替えて考えてみましょう。数学の問題を解くときには、
 0. 定理や公式を理解し、記憶する
 1. 問題文を読み、与えられた情報や前提条件を整理する
 2. 解法を考え、関連情報を記憶の中から引き出す
 3. 答えに至る思考過程を、根拠とともに答案に記述する
 4. 作成した答案の論理や計算の過程を確認する
というような過程を経ます。つまり数学の学習には、いわゆる「論理的思考力」を鍛える活動が豊富に含まれていますと言えます。論理的思考力の成長期である10代後半に数学を学ぶことは、学生の将来の可能性を広げることにつながります。
 しかし、数学が苦手だからと言って、社会人や技術者としての能力が低いということもありません。ある程度の計算はコンピュータがやってくれる時代ですし、AI等の発展によって頭を使う仕事の量は減って来る部分もあるかも知れません。数学や物理をあまり深刻に考えずに、様々な原理・原則が関連付いていく様子を楽しみながら、自分のペースで勉強を進められたら良いと思います。

*教育と研究について
 教育と研究は高等教育の両輪であると言われますが、限られた時間の中でどうやって研究と教育を両立させるかは、研究者たる教員の永遠のテーマかも知れません。様々な考え方がありますが、私は教育を優先させて考えるように意識しています。一方で、教員が最先端の研究に携わることで、学生に豊かな知識や考え方を届けることができ、教育の質を高めることが出来る、という側面もあります。そのため、教育業務と並行して日々研究を続け、知識を更新し続けられるよう努めたいと思います。

*数学と物理について
 私は授業で数学科目を担当していますが、普段は物理を研究しています。物理学では数学の知識を使いますが、その目的は物理法則を理解・表現することであり、純粋な数学とは少し目的・手法が異なります(※)。数学の応用という点では、物理数学と工学系の数学はよく似ているので、物理を背景とする教員が伝える数学は高専生に馴染みやすい側面もあるかも知れません。しかし、授業はその科目・分野の考え方に触れる貴重な機会でもあるため、出来るだけ数学の考え方に忠実な説明を試みたいと思います。
(※ ただし、物理の研究対象から新たな数学の概念が生まれることもあるので、一概には何も言えません)

授業への取り組み

数学や物理は積み重ねの学問と言われており、ある単元を理解するのに別の単元の知識が必要となる場面があります。学生さんには学習を通して、雑多な情報の中から必要な情報を読み取る力と、継続的に努力する習慣を身につけて欲しいと思います。

数学教育にあたっては、下記の点に留意しています。
● 到達度の基準(絶対評価)は厳守しつつ、学生が自分の力で学習目標をクリアできるよう、各学生の状況に合わせて柔軟に授業方法を改善します。

● 数値計算ソフトで作成した3Dグラフィックスなどの授業資料により、直感的な理解を促します。

● 詰め込み教育は学生の苦手意識を誘発する可能性がありますが、逆に授業内容を減らしすぎると理解への手掛かりが少なくなり、反って難しくなる場合があります(意外と薄めの教科書のほうが難しかったりします)。そのため授業内容を厳選しつつ、学生が豊かな数学の知識に触れられるよう、可能な限り複数の考え方や解析手法を紹介します。

● 教育の理想・目標から実際の活動内容を考えるトップダウン的な授業設計だけでなく、学生の学力などの現状から教育内容を考えるボトムアップ的な授業設計も意識したいと思います(地図を読むとき、目的地と現在地のどちらも不可欠であることと似ています)。そのため、学生の現状や学力を正確に把握する目的で、授業中に「アンケート」として数学の問題を出題することがあります。

● 勉強には、安心できる環境が必要です。授業や普段の学校生活において、話しかけやすい雰囲気・環境作りを心がけています。

研究ポリシー

 重力下における量子場の理論現象を探求することで、宇宙の開闢から終焉までを理解する手がかりを探っています。宇宙の研究は、国境や分野の壁を超える現代科学の総力戦なので、様々な分野の研究者と議論するようにしています。


授業科目
  • 数学IA(1年)
  • 数学IIIA(3年)
学歴
平成30年3月 広島大学理学部物理科学科 卒業 学士(理学)
令和2年3月 広島大学大学院理学研究科物理学専攻 修了 修士(理学)
令和5年3月 九州大学大学院理学府物理学専攻 修了 博士(理学)
職歴
令和2年4月 日本学術振興会 特別研究員DC1 (2023年3月まで)
令和2年10月 (兼務)九州大学理学部物理学科 Advanced Teaching Assistant (基礎物理学演習) (2021年2月まで)
令和3年10月 (兼務)九州大学理学部物理学科 Advanced Teaching Assistant (基礎物理学演習) (2022年2月まで)
令和4年4月 (兼務)九州産業大学基礎教育サポートセンター 非常勤講師(物理) (2023年1月まで)
令和4年10月 (兼務)九州大学理学部物理学科 Teaching Fellow (基礎物理学演習) (2023年2月まで)
令和5年4月 神戸大学大学院理学研究科 学術研究員 (2023年11月まで)
令和5年12月 東京大学大学院理学系研究科 特任助教 (2024年3月まで)
令和6年4月 徳山工業高等専門学校 助教 (現在に至る)
学会及び社会活動
平成30年3月 NPO法人日本サイエンスサービス スタッフ(現在に至る)
平成30年12月 日本物理学会会員(現在に至る)
令和元年12月 広島県立広島国泰寺高等学校「先輩に学ぶ」講座 招待講演
令和3年10月 広島県立広島国泰寺高等学校「先輩に学ぶ」講座 招待講演
令和3年12月 インタビュー記事「JSEC  OB・OG紹介 水噴流の仕組みを研究」 朝日新聞出版 今解き教室サイエンス 2021 vol.3、ISBN 978-4-02-110159-5、p.40-41
令和4年8月 インタビュー記事「重力は量子の世界に仲間入りできるか?」 九州大学大学院 理学府 ホームページ 九大理学部ニュース
令和5年9月 研究会 Cosmology and Gravity at Kobe 2023 世話人
令和6年2月 Elsevier Annals of Physics 査読(現在に至る)
賞罰
平成23年12月 科学技術政策担当大臣賞、 高校生科学技術チャレンジ JSEC 2011
平成24年5月 Certificate of Honorable Mention, American Association of Physics Teachers and the American Physical Society、 International Science and Engineering  Fair 2012
平成24年8月 文部科学大臣表彰、平成24年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会
平成25年3月 広島県教育委員会メイプル賞
平成26年3月 日本物理学会 Jr セッション 最優秀賞
平成27年3月 平成 26 年度 広島大学理学部 成績優秀者
平成28年3月 平成 27 年度 広島大学理学部 成績優秀者
平成29年3月 平成 28 年度 広島大学理学部 成績優秀者
平成30年3月 平成 29 年度 広島大学理学部 卒論優秀発表賞
令和元年8月 天文・天体物理 若手の会 夏の学校 重力宇宙論分科会、オーラルアワード 3 位
令和元年10月 広島大学大学院 エクセレントスチューデントスカラシップ
令和4年4月 日本物理学会第 77 回年次大会 宇宙線・宇宙物理理論領域 学生優秀発表賞
教育上の能力に関する事項
教育方法の実践例
 
 
 
作成した教科書・教材
 
 
 
学校の評価
 
 
 
実務経験 特記事項
 
 
 
その他
 
 
 
職務上の能力に関する事項
資格・免許
高等学校教諭専修免許状(理科)

 
 
特許等
 
 
 
実務経験 特記事項
 
 
 
技術相談の内容

1. 宇宙論や理論物理学の分野紹介
 人類社会の発展を考える上で、時間や空間についての理解は不可欠です。そして時間や空間についての理解が試される代表的な分野の一つが、宇宙論です。宇宙論は、科学技術や数学や想像力を駆使して、人類の究極のフロンティアである宇宙の現在・過去・未来を解き明かす分野です。人類がこれまで宇宙をどのように理解してきたかを解説し、現代宇宙論や理論物理学の話題について分かりやすくご紹介します。

2. 中学生や高校生の自由研究のサポート
 私の研究の原点は、高校生時代に取り組んだ自由研究です(当時ご指導いただいた先生方、先輩方に大変感謝しております)。身近な疑問をとことん追求することは、広い意味での学力を伸ばす良い練習になります。
 私は、中高生の身近な自由研究や、数学・物理の知識を用いた理論研究の進め方を提供することができます。特に、研究テーマの見つけ方、先行研究の調べ方、記録の取り方、レポート・論文のまとめかた、研究実績を活かした進路についてなどについて、ご紹介することができます(プレゼンテーションやメンター活動の形式でご提供可能です)。また、現在はNPO法人の活動で、私も高校時代に出場した研究の世界大会(ISEF)の日本代表生のサポートも行なっています。このような大会への出場を目指す生徒・学生の個別のご相談もお待ちしております。